【初心者必見】キャンピングカー・車中泊で人気のハイエースとは? オススメ装備&オススメビルダー10選もご紹介

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ハイエースベースのキャンピングカーを探している方は必見! 本記事ではキャンピングカー事情に精通する筆者がオススメビルダー&装備品を紹介していく。人気モデルをはじめ、新車・中古車のキャンピングカーをたっぷりとお見せしよう。MOTAならではのオリジナル情報も掲載! きっとお気に入りの1台が見つかるはずだ。

目次[開く][閉じる]
  1. キャンピングカーベースにハイエースが人気である理由とは
  2. キャンピングカーベースにハイエースを選んだ際のデメリットとは
  3. トヨタ ハイエースに設定されるラインナップ、その違いを一挙に解説
  4. ハイエースの新車・中古車価格
  5. キャンピングカー登録とは? 普通車・貨物車との違いについて
  6. キャンピングカー装備ってどんなもの? 快適性を高めるオススメ装備を紹介
  7. ハイエースのキャンピングカーをDIYで制作は可能?
  8. ハイエースのキャンピングカーが得意なキャンピングカービルダー10選! オススメモデルもご紹介
  9. 使用人数別でオススメのハイエースベースのキャンピングカーを紹介
  10. ハイエースでは大きいかも?そんな人にオススメのキャンピングカーはミニバンベース&軽キャンパー
  11. 自分好みのハイエースに仕上げられる・ハイエースのデメリットを解消するカスタムパーツ

キャンピングカーベースにハイエースが人気である理由とは

トヨタ ハイエースは、キャンピングカーのベース車としてその地位を確立している。キャンピングカーの展示会を訪れるとよく分かるが、全体の1/3以上をハイエースが占める。カスタム性の高さと広い室内空間が人気の理由だ。

そして売れているクルマはやはりカスタムパーツが多い。多くの選択肢から気に入ったアイテムを選べるので、オリジナルのキャンピングカー作りに向いている。個性を重視するユーザーにとってはメリットでしかない。

そして、そのカスタムの自由度を支えているのが広い室内スペースだ。多彩なシートアレンジが作り出す2列目以降の室内空間はとにかく改造がしやすい。もちろん、熟成されたクルマとしての完成度の高さ、目的別に設計されたボディサイズ、ディーゼルや4WDが選べることも大きな魅力だ。

人も荷物もたっぷり載せられる大容量ボディに加えて装備品も出揃っている。このような実用的なメリットがあるからキャラバンやアルファードではなく、ハイエースが選ばれているのだろう。

キャンピングカーベースにハイエースを選んだ際のデメリットとは

どんなクルマにもデメリットは存在するが、ハイエースだからこその欠点をいくつか紹介しておこう。チェックポイントは「乗り心地・燃費・立体駐車場・防音断熱性」の4つだ。

まず乗り心地だが、本来は荷物を載せることを目的とした商用車なので、乗用車のミニバンなどに比べると足まわりは固い。荒れた路面や段差を乗り越えていく際には、どうしても揺れを感じるはず。さらにキャンピングカーとして大きな痛手となるのが燃費の悪さ。メーカー発表ではガソリン車の燃費が8.8~10.7km/L(2WD)/6.2~9.1km/L(4WD)、ディーゼル車は12.2~13.0km/L(2WD/4WD)となっている(いずれもWLTCモード燃費値)。

そして、防音断熱性はお世辞にもよいとは言えない。商用車であるがゆえ、防音処理や断熱対策はユーザーに委ねられているのだ。

一方で、街乗りの際に気になるのが立体駐車場の入り口。ショッピングモールでもよく目にする高さ制限には何かと気を使うことになる。

一般的に多いのは2.1~2.5mだが、中には1.5mや1.8mもあるのでハイエースでは利用できない。購入したあとで後悔することがないよう、ボディサイズ(とくにハイルーフ・ミドルルーフ・標準ルーフ)にはこだわるべきだろう。

トヨタ ハイエースに設定されるラインナップ、その違いを一挙に解説

ハイエースには複数のグレードがあるのをご存じだろうか。ボディタイプ、バンとワゴン、ガソリンとディーゼル、2WDと4WDについて紹介しておこう。要点を押さえれば決して難しい話ではない。

ボディタイプは全部で4種類

5代目となるH200系ハイエースには、4種類のボディタイプのみ。一見複雑に見えるが分かってしまえば簡単だ。それがこちら。

H200系ハイエース

ボディタイプ

全長×全幅×全高

標準ボディ/標準ルーフ/ロング

4,695mm×1,695mm×1,980mm

標準ボディ/ハイルーフ/ロング

4,695mm×1,695mm×2,240mm

ワイドボディ/ミドルルーフ/ロング

4,840mm×1,880mm×2,150mm

ワイドボディ/ハイルーフ/スーパーロング

5,380mm×1,880mm×2,285mm

横幅は標準ボディ/ワイドボディの2タイプ、高さは標準ルーフ/ミドルルーフ/ハイルーフの3タイプ、そして長さはスーパーロング/ロングの2タイプという設定だ。また、標準ルーフが4ナンバー(小型貨物)となり、ミドル/ハイルーフは1ナンバー(中型貨物)となることも覚えておこう。※ハイエースバンに限る

続いてハイエースワゴンを見ていこう。

バンタイプ・ワゴンタイプの違いとは

ハイエースワゴンは全グレードで3ナンバーとなる。普通乗用車のナンバーだから一般ユーザーにマッチすると思いきや、案外とそうでもない。3列シートのハイエースバンに対し、ワゴンは4列シートで乗車定員も10名だ。どちらかと言えばマイクロバスといった送迎車用。名称はワゴンだが、法人ユーザー向けのモデルとなっている。

つまりバンタイプが荷物を載せるクルマ、ワゴンタイプが人を乗せる送迎用のクルマということになる。バンとワゴンは別物と考えておこう。

ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンそれぞれの特徴

ハイエースはガソリン車とディーゼル車から選べるのだが、私なら迷わずディーゼルを選択する。燃費がよいことに加え、燃料となるのはガソリンよりも安い軽油だ。長距離を走るほどディーゼルエンジンの方が安く済むし、キャンピングカー仕様なら一層なおさらだ。

ディーゼルエンジンの特徴は太いトルク感と高い耐久性にある。低速域が強くドライブ中にストレスを感じることもない。ディーゼルターボならさらに快適となるだろう。そして構造がシンプルがゆえ、壊れにくいし長寿命。高圧縮に対応するために頑丈に作られているのだ。

一方でガソリン車はエンジン音が静かという特徴をもっている。とはいえ登坂時で回転数を上げるとなかなかにうるさい。当然、燃費も悪くなるだろう。メリットは初期費用が抑えられることだろうか。

気になる車体の価格差だが、ディーゼルが50万~60万前後アップとなっている。この金額は長く乗ることで十分に採算が取れる。乗り続ける予定があるならディーゼルを選んでおきたい。

2WD・4WD

ハイエースの駆動方式はFR(後輪駆動)方式の2WDと、フルタイム方式の4WD(四輪駆動)から選べる。価格差は30万だが、この選択を誤ると後悔しか残らない。

自分がやりたいキャンプや居住地域で選択するのが一般的だが、ハイエースをキャンピングカーとして楽しむなら4WDをおすすめする。キャンプ場でも未舗装の道があるかもしれないし、スキー場の往き帰りで雪道を通り抜けることもあるだろう。仮に使わないとしても付いているだけで安心感が違う。

燃費は少し落ちるが、スリップ等のリスクを回避できるのは心強いし、「やっぱり4WDにしておいて良かった」と思う日がくるのではないだろうか。

ハイエースの新車・中古車価格

ハイエースの新車の価格

では、ハイエースはいくらで買えるのか? トヨタのオフィシャルサイトから公式価格を引っ張ってきたので参考にしてほしい。

下記以外にもグレードが用意されているが、参考までに4グレードをピックアップした。

ハイエース新車相場※2021年3月現在

ボディタイプ/2WD

価格 (税込)

DX ガソリン標準ルーフ

254万1,000円

DX ディーゼルハイルーフ

319万2,000円

スーパーGL ディーゼル標準ルーフ

364万円

スーパーGL DARK PRIME IIディーゼル

380万8,000円

やはりディーゼル車はそれなりのお値段がする。4WDはプラス30万ということになる。

ハイエースの中古車も検討する価値あり

次に中古車の相場を見ていくが、ハイエースは新車だけでなく中古車も人気が高い。登録台数も多いのでじっくり探せば程度のよい極上車にも出会えるはずだ。

MOTA中古車検索でハイエースバンを選択すると約4,000台がヒットする。キャンピングカーのベース車両にする予定なら、中古車も検討する価値があるだろう。

トヨタ/ハイエースバン
トヨタ ハイエースバンカタログを見る
新車価格:
243.9万円548.4万円
中古価格:
58万円1,200万円

キャンピングカー登録とは? 普通車・貨物車との違いについて

キャンピングカーはベースとなる車両によって5種類に分類できる。

キャブオーバー型トラックの荷台部にキャビンを取り付けた「キャブコン」、ワンボックスカーやミニバンをベースにした「バンコン」、軽ワゴンがベースの「軽キャンパー」、マイクロバスがベースの「バスコン」、牽引装置でキャビンを引っ張る「キャンピングトレーラー」。

この中で今人気上昇中なのが、ハイエースが該当するバンコンなのだ。バンをコンバーション(改造)しているのでバンコンと呼ばれるが、ミニバンタイプもこれに含まれる。維持費にも関わってくるキャンピングカーのナンバーに関する詳細を見ていこう。

キャンピングカー登録(8ナンバー)とは?

さて、ハイエースにはバンとワゴンがあるがボディタイプやグレードにより1、2、3、4の登録ナンバーに区分されている。ハイエースバンの標準ボディは4ナンバー、ワイドボディは1ナンバー。ハイエースワゴンは全グレード3ナンバー、ハイエースコミューター(小型バス)は2ナンバー(普通乗合自動車)となる。

次にキャンピングカーの8ナンバー登録だが、8ナンバーを言い換えると「特種用途自動車」となる。つまり乗用や貨物以外を指すのだが、なんと合計78の形状があるのだ。街でよく見かける車両を挙げるとパトカー・消防車・救急車などの緊急車両をはじめ、郵便車・教習車・電気作業車などがそれに当たる。

その中にキャンピングカーがあるのだが、ハイエースの8ナンバー化(キャンピングカー登録)はメリットが薄い。厳格化された規制によってさまざまな条件を満たす必要があるからだ。条件詳細をチェックしたい方は、以下の国土交通省公式サイトを見てほしい。

税金はどれくらい?

キャンピングカーに掛かる税金は普通車と同じく3種類だが、先で説明したとおり「特種用途自動車」となるため一部安くなっている。

毎年納付の「自動車税」は年間総排気量によって変わるが、2万3,600円(1.0L以下)~8万8,800円(6.0L超)の範囲。たとえば総排気量1,500cc~2,000ccのキャンピングカーだと3万1,600円となっている。

新規登録や車検時に発生する「自動車重量税」は、車両総重量と自動車の所有年数によって変わる。たとえば登録年数が13年未満だと1万6,400円となり乗用車の半額だ。

加入が義務付けられている「自賠責保険」は2020年4月1日より値下げされ、キャンピングカーだと24ヶ月契約で2万4,020円となる。8ナンバーのキャンピングカーは税金面で優遇されているが、自賠責や任意保険は割高となるのだ。

任意保険は入れる?

自賠責保険ではカバーしきれない範囲を埋めてくれる任意保険。ハイエースなどの一般車なら問題なく加入できるのだが、キャンピングカーに限っては認められないこともある。保険会社によって変わるのだが、車内の確認をするなどの制約を設けている会社もある。

加えてキャンピングカーの場合、事故リスクが高いので、任意保険も高額になる。この点も8ナンバー登録車が減少している要因の1つと言えるだろう。

車検は何年ごと?

8ナンバーのキャンピングカーは初回2年で以降も2年車検だ。ハイエースで見ていくと、1、4ナンバーのハイエースバンは初回2年、以後は1年車検。3ナンバーのハイエースワゴンは初回3年の以後2年。2ナンバーのハイエースコミューターは初回1年で以後1年となっている。

ハイエース車検更新

8ナンバー(特種用途自動車)

2年ごと

1ナンバー(中型貨物)

1年ごと

2ナンバー(乗合自動車等)

1年ごと

3ナンバー(普通乗用)

2年ごと

4ナンバー(小型貨物)

1年ごと

ローンも可能

キャンピングカーは高額なだけにローン払いは心強い。100回払いを超える長期ローンもあり、中には10年返済の120回払い、15年返済の180回払いも用意されている。ローンの種類もオートローンやマイカーローン、キャンピングカーローンなどがあるので、金利を見比べて適切なものを選択したい。購入に悩んだらまずはレンタカーで体験してみるのもオススメだ。

高速料金

8ナンバーを取得しているキャンピングカーは高速道路で「普通車扱い」となる。しかも普通車はETC利用で休日割引も受けられる。なので8ナンバーのキャンピングカーだからと言って高速料金が高くなることはないのだ。

しかし、1ナンバーはそうもいかない。ハイエースバンのワイドボディに与えられる1ナンバーは、高速道路では「中型車料金」となる。たとえば名高速道路を東京ICから東大阪北ICまで走ると仮定すると、片道の料金は普通車が12,000円、中型車が1万4,330円となる(平日/ETC利用)。片道だと少しの差に思えるが、これが積み重なるとかなり違ってくるだろう。

普通免許で運転できる?

まずハイエースの場合だが、先にも触れたとおりハイエースにはバン・ワゴン・コミューターの3タイプがある。このうち普通免許で運転できない車種はコミューターのみだ。このクルマは定員が14名となっており、普通免許の最大定員である「10名以下」を超えてしまうので、中型免許(30名未満)が必要となる。言いかえるとコミューター以外のハイエースは、「グレードやボディタイプを選ばず普通免許で全部乗れる」ということだ。

一方のキャンピングカーだが「定員10人以下/車両総重量3.5トン未満」なら普通免許で運転できる。トレーラータイプのキャンピングカーだと「重量750キロ以下」までなら牽引可能だ。

キャンピングカー装備ってどんなもの? 快適性を高めるオススメ装備を紹介

では実際にキャンピングカーの装備品について見ていこう。車中泊の快適性を上げるには内装カスタムが中心となるが、ひとくちにキャンピングカーと言っても装備品のバリエーションは豊富だ。「普段使い中心か」「キャンプ中心か」など、ユーザーの目的によって装備が違ってくるため、方向性を見失わないことが大切となる。目的を先に決めておけば必要な物が探しやすくなり、余計な出費も抑えられるはず。そこで、MOTAのオススメ装備品を目的別に紹介しよう。

普段使いが中心、ときどき車中泊がしたい人にオススメの装備

「普段の使い勝手を落とさずに車中泊を楽しみたい!」という人も多いだろう。いわゆる週末キャンパーやプチキャンパーとのことだが、ハイエースだとそれが叶えられる。取り回しのよいボディサイズと豊富な装備品がサポートしてくれるからだ。

日常生活を妨げないキャンピングカーを作るにはコツがある。もっともオーソドックスな装備品を3つほど揃えることだ。最小限のカスタマイズでも車中泊の楽しさが薄れることはない。

ベッドキット

車中泊で便利なのがベッドキット。その重要性はキャンパー玄人ほどよく知っている。ベッドキット最大の魅力は「寝床をしっかり確保でき、段差のないフラットなスペースでゆったりとした体勢で寝られる」こと。これが車中泊では大きなアドバンテージとなる。

2段式のベッドキットであれば、上は就寝スペース、下は収納スペースといった具合に空間を上下に分割できるので、デッドスペースが生まれることもない。この高いアレンジ性能が普段使い中心には有効なのだ。

使い方はタイプによっても変わるが、大きく分けると跳ね上げ式・固定式の2種類。中にはリクライニング機能や高さ調整機能が付いたベッドキットも用意されている。室内のイメージをチェンジできるので、装備後のドレスアップ効果も高い。

テーブル

車中泊には食事用のテーブルがあると便利だ。食べ物や飲料が置けるだけでなく、食べこぼしで車内が汚れてしまうリスクも減る。なにより同乗者と一緒にゆっくりと食事できるのが楽しい。

テーブルにもさまざまなタイプがあるが、普段使いを考えると跳ね上げ式や折り畳み式がよいだろう。必要な時だけ広げて使用後は収納できる。ハイエースの後部座席はフラットで安定した場所が少ないので重宝するはず。

遮光

遮光に効果的なのが遮光パッド、遮光カーテンだ。光を通さないだけでなく紫外線もカットしてくれる。さらには断熱・保温効果もあり、エアコンの効きもアップする。車内が広いハイエースだけに、このメリットはかなり大きい。外からの目隠しになるので、就寝時にはプライバシーの保護としても機能する。

遮光カーテンは開閉が楽でドレスアップ効果があり、遮光パッドは価格が安いという特徴がある。快適な車中泊には欠かせない装備品だ。

超快適なキャンピングカーにしたい本格派にオススメの装備

ファミリーなどの大人数で乗るなら快適な空間作りが超重要。本格的な装備品は価格もアップするが、そのぶん返りは大きい。「極上の室内空間を作りたい」「キャンパー装備をすべて詰め込みたい」といった本格志向ユーザーのためにワンランク上の装備品を紹介しよう。

家族みんなが喜ぶ姿を想像するとイメージが湧きやすいはずだ。超快適なキャンピングカー、その中身を見ていこう。

ギャレー(水回り・コンロ)

ギャレーとはキッチン装備のことで給排水機能が付いたものだ。クルマに装備するキッチンは一般的にギャレーと呼ばれている。このギャレーには水回りやガスコンロが備えられ、簡単な料理や手を洗ったり歯磨きをするのに活躍する。食材や飲料を置くテーブル代わりにもなるだろう。

その種類は多く、シンクのみのシンプルなタイプから冷蔵庫がビルトインできるギャレーキットまである。その存在感は抜群でキャンピングカーらしさが一気に高まるのだ。ちなみに8ナンバー化するためにはギャレー設備は必須となっている。

収納

車中泊は着替えや食材などで荷物が増える。そんなときに役に立つのが収納だ。多機能で収納性の高い家具や、サイド上部にもキャビネットを装備するなど種類は多岐にわたる。中でも便利なのが床下収納。バーベキューセットなどの汚れもやスペアタイヤも収納できてしまう。

1つ注意したいのが必要以上に欲張らないこと。収納装備を詰め込み過ぎると、どうしても空間が狭くなる。先に紹介したベッドキットの収納力を活かしつつ、足りないスペースを補う程度で十分だろう。

断熱

ハイエースの場合、断熱施工は大きく分けて「断熱塗料」「断熱材」の2種類がある。施工箇所は天井・サイド・床が基本となり、内装の内張りを外してから行われる。こうして車内の「気密性」を高めるのだ。ビルダーが言うには「いかに隙間を埋めるかがポイントになる」という。

断熱対策は省エネにもつながる。空調が安定するため冷暖房の効きもアップ。これで気温に左右されない快適な車内が実現できる。また、ハイエースだけでなく一般的なクルマは基本的に断熱処理は施されていない。そのため断熱対策は重要工程なのだ。合わせて結露の発生を抑制できる「断熱フィルム」を窓ガラスに貼ればよりいっそう快適となるだろう。

サブバッテリー

快適なキャンパーライフに欠かせない冷蔵庫や電子レンジといった電化製品。これらを使用するにはDC/ACインバーターで正弦波の100Vに変換する必要がある。ご存じだろうが、メインバッテリーにインバーターをつないで電化製品を使うとバッテリー上がりを起こす可能性が高い。そこでサブバッテリーの出番だ。

キャンピングカーに装備されるサブバッテリーは2種類。もっとも一般的なのが「鉛ディープサイクルバッテリー」で、多くのキャンピングカーに搭載されている。もう1つは「リチウムイオンバッテリー」。ノートパソコンやスマートフォン、電気自動車にも使用されている。値段は高くなるがコンパクトで高性能を誇る。

エンジン停止中に電化製品を稼働するならサブバッテリーは必ず装備しておこう。

ソーラーパネル

何かと便利なサブバッテリーだが、充電が少なくなると高い電力を必要とする電化製品が稼働しなくなる。しかし充電するとなると走行充電や家庭用コンセントからの外部充電に限られてしまう。

そこにソーラーパネルを装備すれば、日光の当たる場所であればサブバッテリーに常時充電ができる。電子レンジや湯沸かし器をはじめ、掃除機やドライヤーといった常時1000Wクラスの電化製品も安定して使用可能。ハイエースに付けるなら薄型のフレキシブルタイプがおすすめだ。

エアコン(クーラー)

サブバッテリーやソーラーパネルを装備しておけば、エアコン(クーラー)の搭載も可能だ。ご存じのとおりエアコンの消費電力は高い。貧弱なサブバッテリーではせいぜい1~2時間しか持たないだろう。だからビルダーの多くはエアコンの稼働に大容量のリチウムイオンバッテリーを2個用意している。これで5~6時間程度の稼働を実現し、快適な車中泊を可能とするのだ。

なお、ハイエースのようなバンコンは家庭用エアコンを装備するのが一般的。インバーターで変換することにより使用できるが、ソーラーパネルがあればサブバッテリー容量の低下もなだらか。エンジンを停止しても空調ができるため、快適度は格段に上がるはず。

サイドオーニング

サイドオーニングとはクルマ側にベースを取付する「巻取り型の日よけテント」と言ったところ。設置が簡単で機能性も高いため、キャンパーの間で大人気となっている。

日差しや雨よけとして使え、気軽にオープンエアーが満喫でき、見た目もカッコいい。キャンパーのマストアイテムと言えるだろう。

シャワー

日本のキャンピングカー事情は小型化の影響もあってシャワー・トイレの需要は減りつつある。キャンピングカーの普及を促進する日本RV協会(一般社団法人)の発表によれば、キャンピングカーオーナーの関心度はシャワーが13位、トイレは11位となっている。その主な理由はスペースとコストの問題だ。それなりの価格を払っても、いざ使わなくなったら収納場所に変わることになる。

とは言っても、シャワーを設置するメリットはある。アウトドアで汚れた体をすぐに洗い流せるし、ペットの足を綺麗にすることだってできる。「アウトドアを思いっきり楽しんだ後に汗を流して冷えたビールを飲む!」なんてことも可能だ。なお、ボイラーや温水変換機があれば温水も使える。

トイレ

関心度が低いトイレだが検討する価値はある。緊急性を伴うケースがあるからだ。シャワーならまだ我慢できるがトイレだけはそうもいかない。そんな時に限ってコンビニやサービスエリアが見つからないことも。

キャンピングカーのトイレは大きく分けてカセット式・ポータブル式に分けられる(輸入車に多いブラックタンク式はここでは省く)。ハイエースなどのバンコンには移動もできるポータブル式が向いている。マルチルームでも使用できるため、無理にトイレ専用ルームを作らなくて大丈夫だ。小さい子供やお年寄りが同乗するならトイレは考えておきたい。

ハイエースのキャンピングカーをDIYで制作は可能?

簡単な装備を付けるだけならキャンピングカーのDIYは可能

車中泊をメインとした改造ならDIYでも制作できてしまう。丸ノコやサンダー、電動ドライバーといったDIY工具があるならチャレンジしてみるのも面白いだろう。

その際にメインとなるのが木材だ。ベッドフレームやテーブル、ちょっとした収納家具も作れる万能の材料だ。あとはカーテンを取り付けてルームランプをLEDに交換すればさらに快適となる。格安キャンピングカーの誕生だ。

ただし8ナンバー登録はとても大変な作業なので、おすすめはしない。

キャンピングカーは断熱が重要

先で述べたようにキャンプや車中泊をするなら断熱はかなり重要。とは言っても、DIYだと難しいのが断熱でもある。専門的な知識と技術に加え、エアスプレーガンなど特殊道具も必要となるからだ。さらには中途半端に仕上げてしまうと効果をあまり体感できないなんてことにも。

その点、居住性が最重要と考えているビルダーは断熱には力を入れている。キャンパーから絶対的な支持を得ている「トイファクトリー」の断熱へのこだわりを見てほしい。

初心者キャンパーこそ見落としがちなので、1度目を通してもらいたい。

DIYに自信がある人でなければキャンピングカービルダーでの購入がオススメ

簡単な装備ならDIYでも可能だが、イメージ通りに行かないケースや失敗して収拾が付かなくなることもある。DIYに自信がある人なら何とかなるだろうが、初心者にはハードルが高いように思える。また、断熱や水回りなどを含めるとそれなりに出費もかさむ。結果的には購入した方がお得だったなんてことにも。

そんなときに頼りになるのが「キャンピングカービルダー」なのだ。

ハイエースのキャンピングカーが得意なキャンピングカービルダー10選! オススメモデルもご紹介

キャンピングカービルダーは数多くのあるが、その中でもハイエースのキャンピングカーを得意とするビルダーがある。その道のプロが作ったキャンピングカーはやはり違う。オススメモデルと一緒にビルダー10社を紹介しよう!

ケイワークス

KWORKS(ケイワークス)は「普段使いできるキャンピングカー」をコンセントにバンコンから軽キャンパー、福祉車両キャンピングカーまで製作している。立体駐車場をクリアするハイエースを中心とした展開だ。丁寧なキャンピングカー作りでユーザーからの評価も高く、多くのファンを獲得している。

また、独自に開発したリチウムイオンサブバッテリー「MEVIUS(メビウス)」が人気を集めており、家庭用エアコンもこれがあれば稼働できる性能の高さを誇る。

オーロラエクスクルーシブ

2020年1月末から3日間に渡って開催された「ジャパンキャンピングカーショー2020」で発表されたのが、この“オーロラエクスクルーシブ”だ。ケイワークスのバンコンラインナップで最高峰モデルとなる新型車である。その目玉装備品が先に述べたメビウスによって稼働する国産エアコンだ。270Wのソーラーパネルとの組み合わせでエンジンオフでも約5時間以上は使用できるという。

その他にも、49L冷蔵庫・電子レンジ・コンロ+シンク・1,500Wインバーターなどを標準で装備。必要なものが全部揃っているという印象だ。追加の購入費用が掛からないのは大きなメリットとなるだろう。W断熱施工+床断熱施工で車内温度も安定する。

ボディタイプは標準とワイドから選択でき、ガソリン車とディーゼル車、2WDと4WDが組み合わされる。車高2.1m以内の設計なので立体駐車場にも入庫可能。定員5名・就寝4名となっており、オプションでポップアップルーフを追加すれば就寝6名となる。登録ナンバーは8ナンバーだ。機動性の高いキャンピングカーを探しているユーザーにマッチするだろう。

ダイレクトカーズ

東海地区において最大級のキャンピングカー専門店であるダイレクトカーズ。ハイエースをベースにしたキャンピングカーを30種類以上も開発しているのだ。たとえば「釣りエース」「ドッグエース」「鈴鹿GPトランポ仕様 Ver.2」「ボンドポップアップルーフ」。このようにユーザーニーズに寄り添ったモデルが数多く並んでいる。

もちろん趣味に特化したタイプだけでなく快適性を重視した高級キャンピングカーも作っている。多くの納車実績を持つハイエース専門店だ。

リトリートシリーズ

ダイレクトカーズで人気を集めているのが「リトリートシリーズ」。内装はリアルウッドでコーディネイトされており温かみのあるデザインが特徴的。ベッドフレームやオリジナル家具もリアルウッドだ。

Retreat(リトリート)と名付けられたこのシリーズは、3つのボディタイプから選ぶことができる。標準ボディのハイエースバンとハイエースワゴン、そして新たにワイドボディのミドルルーフ車をベースにしたワイドミドルが加わった。このクルマは2列目シートが対面対座式となっており、後ろ向きに座ることができる。しかも、リア最後部には2段ベッドを用意。小さい子供がいるファミリー層にピッタリの1台だろう。また、シートやベッドマットの生地、家具、フローリングは500色のカラーから選択でき、オンリーワンのキャンピングカーが作れるのだ。

トイファクトリー

岐阜県に本社を構えるトイファクトリーは1995年創業。現在では活動拠点を拡大し神奈川県・宮城県・東京都にも店舗がある。

ショールームに訪れてみるとキャンピングカーだけでなくアウトドア用品もズラリと並んでおり、欲しいものがすべてここで揃ってしまうのでは?と思うほどだ。

さらにトイファクトリーでは「トイの森」という敷地面積23,000坪のキャンプ場を経営している。この広大な場所は“オーナー限定の特別キャンプ場”というから驚いた。いかにユーザーを大切に考えているかがよく分かる。

そんなトイファクトリーは「2020年キャンピングカー・オブ・ザ・イヤー大賞」を受賞した1台を持っている。

BADEN Casa Home Style Edition

このBADEN Casa Home Style Edition (バーデン・カーサ・ホームスタイル)は、トイファクトリーの人気No.1のモデル「BADEN」に、ホームスタイルのエッセンスをプラスした2020年の新型車だ。「旅の途中でも自宅で過ごすような、安らげる空間」をテーマにしたという内装はとても美しい。

地元岐阜県産の天然檜を採用したフローリング、織物が有名な愛知県尾州産地の生地で作られたファブリックシート、岐阜県東濃地方で“美濃焼”と呼称される美しいキッチンタイルはこだわりの素材。これら唯一無二の装備品が大賞を受賞した理由だと言えるだろう。

ベース車両はキャンパー特装車でガソリン車/ディーゼル車、2WD /4WDから選べる。定員7名、就寝5名、8ナンバー登録のキャンピングカーだ。

AtoZ

AtoZ(エートゥゼット)は設立30年を超えるキャンピングカーの老舗。長年のノウハウを活かした完成度の高いキャンピングカーを製作している。

ハイエースをベースとしたモデルは「アメリア」「アメリア・ライト」の2種類。どちらも白を基調とした内装に仕上げられており、家のリビングルームのような落ち着いた雰囲気で居心地がよい。

コンパクトで取り回しが楽なアメリアライトについて詳しく見ていこう。

アメリアライト

ハイエースの標準ボディをベースに製作されたアメリアライト。しかもハイルーフ車だから圧迫感もない。1ナンバーボディでありながらも8ナンバー登録の基準を満たしている。

アメリアライトの特徴は「エクステンションボックス」と名付けられたオリジナルの出窓だ(運転席側)。これより標準ボディとは思えない開放的な車内空間を実現している。横に長いテーブルも手荷物などを置くのに便利だ。

ほかにも18L冷蔵庫やシャワーヘッド付きリアシャワーが標準で装備されており、オプションで電子レンジやポータブルトイレも装備できる。リアバンパーに用意された100V入力電源でサブバッテリーの充電も簡単だ。

また、エアロパーツ・ローダウンキット・アルミホイール・マフラーカッターも別に用意されている。これらを利用すれば個性的な1台に仕上るだろう。定員6名、就寝は大人2名+子供1名となる。

ALFLEX

ALFLEX(アルフレックス)のキャンピングカーはADDSET(アドセット)という名称で独立している。京都市の南区に店舗を構え、ハイエースをメインにバンコンを製作。開発・設計・製造までを自社で行っており、トータルデザインに優れたラグジュアリー系のキャンピングカーを得意としている。

代表モデルはマリンカラーでコーディネイトされたMALIBU(マリブ)、ホワイトカラーのC's NEX(シーズネクス)だが、今回は2020年に新提案されたモデルを紹介する。

シーバス

CEEBUS(シーバス)が発表されたのは2020年の東京オートサロンだ。開発に2年を費やしたというだけあって、ビルダーの強い意気込みが感じられる1台だ。

アルフレックスの竹山代表によれば「都市部のビル型パーキングや狭小地でも困らない機動力」「普段使いがどれだけしやすいか」を追求した結果、標準ボディ&標準ルーフのハイエースに行きついたという。

装備品で注目したいのがギャレーと冷蔵庫。ギャレーはメインとなるセカンドシート横、加えてリアにも設置。リアのギャレーにはシャワーが付いているため、汚れた体を車外で洗い流せる。そして冷蔵庫は40Lの大型サイズだ。中には6Lの冷凍庫があり夏場は絶対に重宝するはずだ。定員4名、就寝2名、8ナンバー登録のキャンピングカーである。

アネックス

平成2年に設立された徳島県のキャンピングカービルダー「アネックス」。東京と大阪に直営店であるキャンピングカープラザを持ち、自社の徳島工場で製造が行われている。モダンデザインのバンコンに定評があり、ビギナーからからベテランまで使いやすいキャンピングカーを製造。その完成度の高さが大きな魅力だ。

人気モデルはハイエースベースの「リコルソ」「ウィズ」「ファミリーワゴン・RIW(リュウ)スタイル」。この中からイチ押しモデルをご紹介しよう。

リコルソ

ハイエースワゴンGLをベースにしたRICORSO(リコルソ)。ワイドボディ&ミドルルーフを採用し、街乗りでの使いやすさとキャンピングカーとしての快適さを両立している。高さ規制2.1mの立体駐車場も利用可能だ。「トラベルワゴンにモダンデザインを」をコンセプトとし、ワゴン車ならではの乗り心地と美しい車内に仕上げられている。

リコルソの魅力はワイドボディを活かした対面式ソファだ。多彩なアレンジによって座椅子・ベッドへと変化する。フルフラットにすればクイーンサイズ並みのベッドになる。

取り外し可能なセンターテーブルはソファ、ベッドの両方で機能する。これが思ったよりも便利で就寝時の快適性がグンとアップしている。

主な装備品は49L冷蔵庫がビルトインされたキッチンスペース、その近くには跳ね上げ式のフロントカウンターもある。オプションで電子レンジも追加可能だ。床下にはFRP製の収納ボックス、後方上部にはオーバーヘッドコンソールボックスを装備。収納力は抜群だ。

また、後部シンクを装備したことで8ナンバー登録も実現。インテリアカラーは標準のライトカラーほか、3パターンを設定。定員は8名となっている。

IFUU

ハイエース/キャラバンのキャンピングカー専門店であるIFUU。現在は業務拡大に伴い大阪府松原市に移転し、全国販売や内装施工も請け負っている。また、IFUUは多くの自社ブランドを提供している。販売事業部であるIFUU大阪・STEALTH大阪をはじめ、内装施工部の「IFUU Industry」やオリジナルエアロパーツを製造する「Identity」など。

販売店舗の同敷地には内装施工部を併設しており、作業風景を見学できる。OEM製作やオーダーにも対応しながら満足度の高いキャンピングカーを製作するビルダーだ。

IF-VR8

IFUUのオススメモデルは「IF-VR8」だ。これはIFUU+VAN+REVOシート+8人乗りという意味。この「IF-VR8」だが、キャンピングカーの主たる装備品は一切付かないので、カスタム好きに最適な車両だ。

純正シートをWORKVOX(ワークヴォックス)社のREVOシートに交換されており、乗車定員が8名だ。すなわち「1、4ナンバーのまま8人乗り仕様」となる。シートのクオリティが高いので長距離の移動でも疲れにくいはずだ。シートの土台となる床張りは穴を1つも開けずに施工。目に見えない部分へのこだわりから丁寧な仕事ぶりがよく分かる。

ベース車両はハイエースバンのスーパーGLとなっており、標準ボディ/ワイドボディから選択できる。また、3、5ナンバーの乗用車登録も可能だ。ディーゼル車と4WDは問い合わせにて対応してくれる。

ステルス

埼玉県に本社を構えるSTEALTH(ステルス)は、全国で5店舗を経営するハイエース/キャラバン専門のキャンピングカービルダーだ。

ステルスもIFUUと同じく純正シートを交換して乗車定員と登録ナンバーを変更するキットを提供する。こちらはステルス自慢のオリジナルシートを使用しているのが特徴だ。

もちろん乗用安全基準試験はすべてクリアしているので安心して使えるだろう。ユーザーのニーズに合わせたワンオフにも対応してくれる。

ステルスオリジナルシート

ステルスのコンセプトは日常の使い勝手を高めること、そしてアウトドアや車中泊にも対応できる幅広いクルマ作りだ。「買い物や送迎といった普段の生活を中心にしつつ、ときどき旅行も楽しみたい!」きっと、こんな願いを叶えてくれるだろう。

このオリジナルシートはハイエースを5人/7人/8人/10人乗り仕様に変更してくれる。とくに人気が高いのが乗用車登録の3、5ナンバーだ。やはり2年車検が大きな魅力となるのだろう。また、ステルスでは「車両持込での5~8人乗りへ構造変更も行っている」とのこと。本格的なキャンピングカーにする前に検討する価値はありそうだ。

デルタリンク

1995年設立のDELTALINK(デルタリンク )は、オリジナルキャンピングカー「ダーウィンシリーズ」が人気のビルダーだ。本社である岡山県倉敷市には「倉敷ベースキャンプ」という1,300坪の広大な展示場があり、常時50台近くのキャンピングカーが並んでいるという。その中には欧州キャンピングカーであるADRIA(アドリア)の姿も見られる。

企業理念は「キャンピングカーを通じて、顧客・社員ともに、家族で素晴らしい人生を送ってもらうこと」。そんなデルタリンクのオススメモデルを紹介しよう。

Q2

デルタリンクのダーウィンシリーズは「Q1、Q2、Q3、Q5」の4種類あるが、2019年にデビューした新型車のダーウィンQ2を取り上げよう。

ベース車両はハイエースのスーパーロングだ。ハイルーフなのでとにかく車内が広い。内装全体が明るい色調でコーディネイトされており、ホワイトオークの家具が落ち着いた雰囲気を演出している。子供や女性が喜びそうなインテリアと言える。また、2列目シートはバタフライ式になっており、後ろ向きにすることでコの字型のダイネットが完成する。すべてのシートを寝かせればフルフラットになり3名分の就寝スペースとなる仕組みだ。窓ガラスに付けられたカーテンでプライバシーも守れる。

収納は格納式の上部収納ボードとハンガーフックを利用。リア左側のギャレーにはシャワーが設けられているので、外部シャワーとしても利用可能だ。冷蔵庫や電子レンジはオプションで用意。定員9名、8ナンバー登録キャンピングカーとなっている。

ホワイトハウス

1988年設立のホワイトハウスは企画から製造、販売までを一貫して行うキャンピングカーの老舗ビルダーだ。本社は名古屋にあり、横浜・福岡にも店舗を構えている。ラインナップはステップワゴンやVOXYなどのコンパクトタイプから、N-BOXやN-VANなどの軽キャンパーまで幅が広い。

その中でもっとも得意にしているのがハイエースだ。COMPASS(コンパス)と名付けられた大人気モデルを紹介しよう。

コンパス

コンパスには多様な派生モデルがあるので、ユーザーの目的に合うキャンピングカーが見つかるだろう。街乗りから本格派キャンパーまでシッカリと網羅している。コンパスを大きく分けるとポップアップルーフ・ハイルーフ・グランドハイルーフの3タイプだ。

ポップアップルーフは国内の自社工場で製作から取り付けまでを行っている。しかもガス式ダンパーだから開閉も簡単だ。ビルダーの強いこだわりを感じることができる。コンパスシリーズは以下のようになっている。

コンパス/コンパス ビッツ/コンパス ビッツ ハイルーフ/コンパス PRO/コンパス PRIME PLUS/コンパスグランド

常に進化を続けるホワイトハウスキャンパー。ビルダーが言う「終わりのない追求」というフレーズがよく似合っている。

使用人数別でオススメのハイエースベースのキャンピングカーを紹介

キャンピングカービルダーは物凄く多いので熟練キャンパーでも悩んでしまう。自分の理想に合う1台を探すには、使用人数で絞り込むとグッと選びやすくなる。ファミリー・夫婦・カップルなど、それぞれにマッチするオススメのキャンピングカーをご紹介しよう。

乗員定員・就寝定員ってなに?

乗車定員とはそのクルマに乗れる最大の人数、就寝定員は寝れる人数だ。就寝定員をオーバーしても法律には触れないが、乗車定員違反は当然ながら交通違反となる。

なお、キャンピングカーの就寝定員は乗車定員の1/3以上と決まっている。

1人(ソロ)や2人(夫婦・カップル・友人)向けでオススメのハイエースのキャンピングカー

キャンピングカーの使い方は人それぞれ。ソロキャンパーをはじめ、夫婦でもカップルでも友達同士でも楽しめる。たとえば2人旅なら就寝2名程度のキャンピングカーが最適と言えるだろう。広すぎるベッドで貴重なスペースを取ってしまっては勿体ない。就寝2名にピッタリはまる1台はこれだ。

アルコーバ/トイファクトリー

トイファクトリーのalcoba(アルコーバ)は定員4名・就寝2名のキャンピングカー。このクルマの魅力は常設2段ベッドだ。ベッド展開という手間が一切かからず、いつでも好きな時に横になれる。この手のキャンピングカーは1~2人向けとしてユーザーからの支持が高くなっている。

さらにトイファクトリー製だけあって機能性が充実している。フロント2席を前方にスライドさせて空いたスペースに専用の座面を置けば「ザ・バックシート」と呼ばれる後ろ向きのシートが完成。これによってセカンドシートと対面したダイネットが作れる。2人だからこそ向き合って食事が楽しめるのは嬉しい。

主な装備品は40L冷蔵庫(上蓋式)・トイレルーム(水洗式カセット)・ステンレスシンク。断熱はトリプル断熱&二重断熱アクリルウィンドウで完璧だ。ベース車両はキャンパー特装車、ガソリン/ディーゼル、2WD/4WDを用意。

3~5人(家族・友人)向けでオススメのハイエースのキャンピングカー

ファミリー層にマッチするのは、3~5人乗りのキャンピングカーとなる。もっともラインナップが多いモデルだけあって選ぶのも一苦労。そこでMOTAのイチ押しキャンピングカーをご紹介しておこう。

エヴァンス/ケイワークス

ケイワークスのEVANS(エヴァンス)はハイエースのスーパーGLをベースにしたキャンピングカーだ。このクルマの1番の特徴は「前向き3列シート」だろう。全員が前向きに座れるので子供からお年寄りまで安心して乗せられる。また、2、3列目シートをフルフラットにすれば大人2名分のベッドに変わる。その上部に付属のマット(ボード)を設置すれば2段ベッドに展開できるという仕組みだ。

なお、オプションでポップアップルーフを付けることで就寝スペースがグンとアップする。家族旅行に友人を呼んでも個別にゆっくり眠ることができるのだ。乗車定員はボディタイプにより標準ボディ(7人)、ワイドボディ(8人)となる。就寝定員は3~6人(※2段ベッド・ポップアップルーフ使用時6人)。

ハイエースでは大きいかも?そんな人にオススメのキャンピングカーはミニバンベース&軽キャンパー

さて、キャンピングカーはアウトドアブームによってはますます進化を遂げている。ハイエースではちょっと大きすぎるかも…。そんなユーザーにはミニバンベースのキャンピングカーや軽キャンパーだってある。それぞれのオススメモデルを紹介しよう。

ミニバンタイプでオススメのキャンピングカー

ミニバン大国のニッポンだけに、この手のキャンピングカーはニーズが高い。最初にオススメするのはトヨタのヴォクシーをベースにした「VOXY DAYS」だ。

ホワイトハウスが製作した1台でポップアップルーフを標準で装備しており、最大4人がゆったりと就寝できる。さらに自社開発のフロント回転シート、機能的なサイドギャレーを標準で装備。

もう1台は日産のNV200バネットワゴンがベースの「ecoro(エコロ)/トイファクトリー」。3人掛けセカンドシートとベンチマットで快適なリビングを実現。それらを展開すれば大人2人のベッドに。リア両サイドの家具に2つマットを架けることで子供用の2段ベッドが完成する。ハイエースに比べると確かに狭いが、予算を押さえてキャンパーライフが楽しめる。

軽キャンパーでオススメのキャンピングカー

昨今、軽キャンパーの人気は急激に高まっているのだ。それは軽自動車の需要に比例しているように思える。中でもオススメなのがホワイトハウスの「N-VAN コンポ」「N-BOX キャンパー Neo」だ。その名前どおりの車種がベースとなっており、標準装備のポップアップルーフで4人分の就寝スペースが確保される。人気車種にこんな装備が付いたら誰だって欲しくなってしまう。

そしてもう1台。新型ジムニーをキャンピングカー仕様に変えてくれる「101TentCar コンフォートベットキット」を見てほしい。

これはキャンピングカーではなく、車内空間をフルフラットにするためのマットだ。車内すべてのシートを寝かせてマットを置けば、フロントからリアまでの全面が平らになるという優れもの。別売りのサイドテーブルを装備すれば“ジムニーキャンピングカー仕様”が完成。軽キャンパーもなかなか面白い!

自分好みのハイエースに仕上げられる・ハイエースのデメリットを解消するカスタムパーツ

キャンピングカービルダーが提供するクルマは物凄く完成度が高い。あとはカスタムパーツでより個性的な1台に仕上げていくだけだ。その際には焦る気持ちをグッと抑えてデメリットから解消していこう。ハイエース用の内装品・足まわり・エアロパーツをご紹介する。

ハイエース用シートカバー

車内のイメージを大きく変えてくれるのがシートカバーだ。カラーや素材がたくさん用意されているのでドレスアップとしての効果がデカい。純正のファブリックシートに不満を抱えているユーザーも少なからずいるはず。

そこでオススメしたいのが「クラフトプラス」のシートカバー。200系ハイエースとNV350キャラバンなどのカスタムパーツを多数展開する自動車内装メーカーだ。ラインナップは多数あるが、キャンピングカー仕様のハイエースに似合うシートカバーと言えば「カリフォルニアスタイル・Ver.1/2」「ブルックリンスタイル・Ver.1/2」となるだろう。前者はアメリカ西海岸にあるカリフォルニアのイメージ、後者はニューヨークにあるブルックリンの街並のイメージとなっている。使用されている素材は、あの有名な岡山県の児島デニムだ!

ハイエース用センターコンソールボックス

シートカバーを装着すると、どうしても純正パーツの商用車感が浮き出てしまう箇所がある。それがセンターコンソールなのだが、これもクラフトプラスが解消してくれる。ありがたいことにシートカバーと同色、同生地で揃えられる。あえてハズしてツートンカラー風に仕立てても面白い。

センターコンソールのカスタムは見た目だけでなく機能性も大幅にアップする。クッション性のあるアームレストをはじめ、ドリンクホルダーの増設、収納力も倍増するのだ。商品の製作は岐阜県にあるクラフトプラスの工房で1つひとつ丁寧に仕上げられている。ハンドメイドなのでその価格にも納得がいくだろう。

ハイエース用足回りパーツ

ハイエースの場合、もともと足は固い。それが突き上げ感に変わり不快感を覚える。キャンピングカーは内装の装備品に目がいってしまうが、走りの性能アップも忘れてはならない。とくに足まわりは乗り心地にも影響する。重装備で車両重量が増えるキャンピングカーこそ足まわりの強化は必須と言えるだろう。

その欠点を解消してくれるのがトイファクトリーの「101T-SR 超安定シリーズ」だ。そのラインナップは、ショックアブソーバー・フロントトーションバー・フロント/リア強化スタビライザー・強化ブレーキパッド・ローターなどを用意している。

また、ハイエースやキャラバンの走りを改善する足回りパーツで定評のあるユーアイビークルの足回りもオススメ。乗り心地にこだわるアドセットではコンフォートリーフ、リヤ追加スタビライザー、フロント強化スタビライザー、可変式ショックアブソーバーといったパーツを採用。不愉快な揺れをなくし、しなやかに路面に追従する走りを実現している。

ハイエース用ドレスアップパーツ(エアロ・ホイール・リフトアップなど)

ハイエースはキャンピングカー装備品だけでなく、そもそものカスタムパーツが多いことで有名だ。その中でもMOTAがオススメしたいのはLEGANCE(レガンス)とT-Style Autosales(Tスタイルオートセールス)。

どちらのメーカーも個性あふれるオリジナルパーツを多数展開しており、ハイエースの存在感を高めてくれる。たとえばレガンスのフルエアロでボリューム感をアップしたり、Tスタイルオートセールスならば「ダッヂA100フェイススワップキット」も個性的な外観に仕上げてくれる。

「キャンピングカーとはいえ、カッコよく乗りたい!」。そんなユーザーにカスタムパーツは絶好のセレクトになるだろう。

【筆者:岡部 和男】

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岡部 和男
筆者岡部 和男

車好きが高じて自動車ライター・編集者へ転身。大手カーショップでの勤務経験を活かし、カスタムから整備までジャンルを問わず執筆できるのが強み。取材や試乗レポートのチャンスも伺っている。時間があれば愛車をカスタマイズして、一人ドライブへと出掛けるのが一番の楽しみ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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